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休憩する女
2015年「休憩する女」53.0 x 40.9 cm
画材は、水彩、パステル
【総評】
(Garc'ia Pedro Francisco)
デッサンは優れたアーティストの必須条件だ。
描線と余白が色彩に劣らないほどの存在感を示す作品は、完璧と言えるだろう。
特にルネサンス期において、デッサンが色彩よりも重視されていた。
吉澤久子はまさにこのデッサンの匠であり、優れた腕を持つ。
その上、色彩にも秀でている。
彼女は高い技術を持ち、その作品は深い調和と優雅さを備えている。
掲出した2点は、休憩中の女性の姿を描いたものだろう。
それらは印相派の構図を、さらにラファエロやミケランジェロなどルネサンスの巨匠をも想起させる。
控えめな描線から判断すると、日本の古典的な挿絵の影響を受けているのかもしれない。
作品の“未完成性”にも注目したい。
その筆触と色彩は空間に溶けていき、鑑賞者の想像力で作品は完成する。
美しさと独自性を観る者に強く印象づける吉澤久子は、偉大な芸術家だと言えるだろう。
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